資格タイプ別アピール方法

転職

前回、未経験転職で資格は必ずしも必要ではない、それ以上にどれだけ実務で役に立てるか制作物を提出してアピールする方が大切だという記事を書きました。ですが資格を持っている場合、アピールしないのはもったいないですよね。

では転職で資格をどの様にアピールすれば効果的かをお話したいと思います。


どんな資格でも自己アピールできるの?

よく「取っても役に立たない資格」などの記事がありますよね。
直接的に転職や就職においてアピール効果が低いという意味だと思いますが、自己PRとしてなら、どんな資格であってもその資格を選び、勉強し、合格して取得した行動はしっかりとしたアピール材料だと思います。

ただし、資格取得で業務に就くことを目的にされる場合は、予め業界や職種の求人を確認し、必須となっている資格もしくは需要の高い資格を確認してくださいね。いくらアピールできても、必須資格が無いと就職にはつながりません。

では具体的に資格のタイプ別に効果的なアピールをお話ししていきますね。

資格のタイプ分け

私はざっくりと資格は下記の3つに分類できると思っています。
タイプ名は私個人の独断による印象で命名しまたが、どの資格もその専門分野の知識を協会や団体が教育し証明しているもので、信頼性があり、単純に役立つ役立たないの優劣をつけるものではありません。職種も多様になっているため「ワッペンタイプ」と位置付けたものも業界によっては「ライセンスタイプ」や「スペシャリストタイプ」と認識されるものもあるかもしれません。
あくまでも、個人の見解としてご参考にして頂けると幸いです。

1.ライセンスタイプ

自動車免許や医師免許の様に持っていないと業務を行えないもの。
また、所持することで〇〇士と名乗れるもの。
基本的に従事する業界では有名なものですね。取って終わりではなく定期的な更新や継続教育の必要があるもの、受験する為に一定の実務経験や前提条件が必要なものが多い。
例)医師免許、気象予報士資格、管理栄養士などなど

2.スペシャリストタイプ

所持していなくても業務に就くことが可能なもの。所持することで信頼性や権威性を与えられるもの。業務において専門性やプロとして知識を学ぶ上で取得できるものだったり、より深い知識を得るために取るもの。所持することでピンポイントな専門性をアピールすることが可能なもの。
例)FP技能士、産業カウンセラー、認知症ケア専門士などなど

3.ワッペンタイプ

有名な資格というよりは自分の興味や趣味を突き詰める中で出会うようなツウな資格。「その資格なんですか?!」と人に興味を沸かせ会話のきっかけになったり、暮らしを豊かにする資格。
例)テキーラ・マエストロ、野菜ソムリエ、アロマテラピー検定などなど

資格タイプ別の自己アピール方法

▶ライセンスタイプとスペシャリストタイプの自己アピール方法

資格にもよりますが取得のための勉強時間が長かったり難易度が高い物が多いかと思います。また、スペシャリストタイプに関しては、基本的な専門知識よりも深い専門的な知識やスキルを証明できるものが多い為、なぜ更に深い知識を求めるに至ったのかのキッカケとエピソードを相手に伝えられると良いと思います。

では試しに「産業カウンセラー」を例に挙げてみます。
設定は企業で営業経験3年、役職はないが後輩2~3人の指導経験あり。
チームマネジメント業務への転職と仮定した自己PRの例です。

チームで多様なメンバーと仕事をする中で、伝え方がキツイと心を病んでしまい休職や退職に至った人、悪気ない言動がセクハラや高圧的だと誤解をされ物事が正確に伝わらない人を見て、どうにかチームの一員として自分に何かできないかと考えることがありました。学生時代に心理学を学んだ経験から、産業カウンセラー資格の勉強を行うことで何かヒントを掴めないかと思い資格取得に挑戦しました。その後学んだ知識を活かし、チーム内で衝突が起こった際に自信をもって適切な対応を行うことが出来達成感を感じました。更に円滑なプロジェクトの遂行に貢献したと上司より評価頂きチームマネジメント業務に強い興味を持ちました。この経験からより専門的にメンバー間の調整業務に就きたいと思いエントリーさせて頂きました。御社での部署やチームの人間関係の問題解決や社員のメンタルヘルスのサポートを行い、より良い社内環境作りに貢献したいと思います。

チーム内でのトラブルから問題意識を持ち、解決のための知識を自発的に勉強し資格を取り、専門的な知識を実際に活用してサポートを行ったという、キッカケと実際のエピソードを合わせることで説得力のあるアピールが出来ていると思います。また、募集求人への応募動機も伝わる内容かと思います。

▶ワッペンタイプの自己アピール方法

数いるライバルとの差別化として人柄のアピールに最適です。
趣味や興味を突き詰めるというのは才能だと私は思います。更に、自己満足で終わらず資格を取得することで第三者が認める「専門的な特技」や「その道のプロ」として認識してもらえます。認知度の低い資格や目を惹くような資格の名前は、思わず「これどんな資格なんですか?」と面接時に担当者との話題にもなりやすくアイスブレイク的な役割を果たしてくれることも。

直接的に業務に関わらずとも、あなたという人柄を伝えるのには大いに役立つかと思います。

例えば、コーヒーインストラクター3級(講習会を受講で取得可能)
我が家は家族みんながコーヒー好きで、休日にみんなで美味しいコーヒーを飲みたいと思い淹れ方や豆の選び方を勉強しました。おかげで以前より美味しいコーヒーが淹れられ、気分や好みに合った豆を選べるようにもなって、「今日はどこどこの豆で~」など家族でコーヒーの話題で楽しい時間を過ごせるようになりました。

家族の為に美味しいコーヒーを淹れようと専門的に知識を学ぶ温かみのある人柄や、興味に対して正確な知識を得る積極性を相手に与えられます。履歴書では「得意なこと欄」に書けば対面していない時点で人柄をアピールできますし、面接で担当者が触れてくれれば緊張がほぐれるかも知れませんね。

ワッペンタイプは、数多く書けばいいというわけではありません。資格マニアとしてアピールしたいのであれば自由ですが、あまりにも多く資格を書くと個性的すぎる癖の強い人という印象を与えかねませんのでほどほどに…(笑)

もし、ワッペンタイプの資格を複数お持ちでしたら2、3個程度の記載にとどめ、「知識を増やすことが好きで、知らないことやわからないことは積極的に調べ学ぼうとする性格です。」などと新しい事にも進んで挑戦できる人柄のアピールをしてみてはいかがでしょうか。

面接では「相手にどう伝わったか」が大事

どのタイプの資格も面接で触れられることは多いと思います。
どんな有名な資格であっても担当者がその資格の知識を持っていない場合も多く、「この資格で何が出来ますか?」「どういった資格ですか?」と質問を貰えることもあるかもしれません。専門知識を持っているとどうしても正確に詳しく伝えたくなるかと思います。ですが気を付けてください!

長く熱く語りすぎると相手は疲れてしまいます。「相手にどう伝わったか」それは自分がアピールしたかったイメージなのかを意識して、記載する資格や質問に対する応えを行ってくださいね。もし相手が少し間違ったイメージを持っていても、端的にスマートに説明できると好印象です。

求職活動としての人柄アピール

採用選考において、基本的に募集業務を企業の求める水準で行えるかが大前提です。なのであくまでもワッペンタイプの資格は補助です。
どれだけ素敵な人柄をアピールできても、必須スキルが足りていないと通過しません。足りないスキルを人柄で補おうとワッペンタイプのアピールの比重を上げ過ぎてしまっては意味がありません。
企業の求めるものが何か、自分は何を提示できるのかを考えて挑んでくださいね。

まとめ

どんな資格であってもその資格を選び、勉強し、取得した行動は自己PRの材料となります。書類選考の段階で人柄アピールとしても有効です。

ただし、アピールしたい企業に合わせて選定し見せ方の工夫は必要です。
直接業務に活かせる資格は、必要性を感じたきっかけやエピソードを合わせて伝える。または、その資格が必要な業界へ興味を持ったきっかけや動機を伝える。

直接は業務に活かせない資格は、「自分の伝えたい人柄のアピールになるように」取得したエピソードを伝える。

どちらも、話が長くなりすぎないように事前に時間を測るなどして練習しておくと良いと思います。

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